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江戸の待ち合わせはむずかしい

江戸の暦について書いたついでに 時間のことも復習してみましょう
今では日本国内なら 時差があるということはないですよね
それに どこに住んでいても一時間は一時間
これを「定時法」といいます
これに対して 江戸時代は「不定時法」 一刻(いっとき)のながさは一定していません
というのも この時代は24時間を 昼と夜にわけそれぞれを6等分したのが一刻
つまり 春分と秋分以外は昼と夜の長さがちがうので
当然 昼の一刻と夜の一刻はちがうのです
冬と夏では 昼の一刻の長さは50分くらいも違ってしまいます
 ギャー 信じられない!仕事に遅刻しちゃうし デートの待ち合わせも出来ない!
と 思うのは 現代に生きる私達だけ
世界中で一番 時間に正確なのは日本人 という定説があります
だからオリンピックで使う タイム表示は日本の「セイコー」なんですね
江戸の待ち合わせはむずかしい_f0122653_10371660.jpgしかしそんなに時間に正確になったのは たかだか100年くらいのもの
それまで 夜明けは「明け六つ」日没が「暮れ六つ」で
あとは 太陽の位置で大体の時間を測っていました
江戸の初期にはお城で太鼓をたたいて 時を知らせてくれましたし 時代が下がると「時の鐘」が処々にできて 専門の鐘つきが時を知らせてくれるようになりました
左の浮世絵は東海道・三嶋宿 ここでは「ほら貝」で刻を告げています
夜は町内の番小屋の番太郎(学校の用務員さんみたいな役目の人の通称です)が 火の番をかねて 拍子木を打って歩きました
そんなもので 十分だったのですね
このころは 夜間の照明はろうそくと油だけ それも庶民の手が届くのは臭い「魚油」くらいですから 暗くなったらさっさと寝ました
夜なべ仕事ができるなんて かえって余裕がある証拠です
そのかわり 朝は夜明けと共におきて働くわけですね
江戸っ子は 「早寝・早起き」だったのでした!

by tukitodoraneko | 2007-06-25 11:09 | 江戸のあれこれ

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