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祇園女御は平安でもアイドル?

祇園女御は平安でもアイドル?_f0122653_10141986.jpgさて大河では 清盛は舞子という白拍子の子となっていましたが「平家物語」の中では 祇園女御の子ということになっています
松田聖子ちゃん貫禄でした
祇園女御は 白河法皇のお気に入りで その名の通り「祇園」に住んでいました
ある日 ここに通った帰り道 祇園社(現・祇園八坂神社)の前で 法皇は恐ろしげな化物に出会います
 光り物 出で来たり 頭は白銀の針を磨きたてたる
 ようにきらめき 両手を挙げ 片手に槌 片手に光る
 物を 持ちたりける

院は 鬼かと怖れますが 忠盛が組み付いて見ると 燈篭に灯をともそうとしていた法師でした
油壺と火種を持ち 雨が降っていたので頭に麦わらを
祇園女御は平安でもアイドル?_f0122653_1033754.jpgのせていたのが 火に映えて光って見えただけだったのですね
院は 忠盛の勇気に感じて お気に入りの祇園女御を賜り この時 すでに女御は懐妊してたというわけです
八坂神社の境内には今も 忠盛燈篭が残っていますよ→
ただしこれは 後世の創作の感じがしますよね
いかにも「物語」ぽくて よくできています
実際は 祖父・正盛の時から 祇園女御の
庇護を受けてきたので 清盛は当然のごとく
女御の養子扱いとなっていたのです
清盛の実母は 3才で亡くなったと 記録にあるので 別の人だったでしょう
鳥羽天皇の后となった璋子も 藤原家の出ですが
白河法皇と祇園女御の養女となっていました
祇園女御は平安でもアイドル?_f0122653_11361627.jpgさて では江戸に戻って
← これは 広重・国芳・豊国(三代)の合作で
小倉擬百人一首 というもの
 小倉山みねのもみじば心あらば 
     いまひとたびの御幸またなん

藤原貞信公の和歌に 描かれているのは 
祇園女御です
かきこみの文字は
 洛東祇園の片辺に 一人の賤の女あり 
 天然の美皃 白川院 垣間見たまひて 
 懸想の余り入て  女御に備たまふ 
 依て祇園女御と称す 
 平相国清盛公は 此女性の産所なり            
          柳下亭種員筆記

平家物語では「~という話もあった」程度の
祇園女御実母説 江戸後期には 定説になってしまったようですね
この「擬百人一首」 他にも仏御前や 
祇王などもあって 結構おもしろいですよ
ネットで検索したら 見れますよ

by tukitodoraneko | 2012-01-10 11:51 | 大河ドラマ

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