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江戸 花の名所 

桜以外の花の名所のこと 書いておきましょう
江戸 花の名所 _f0122653_16194022.jpg「江戸名所図会」
不忍池の蓮ですね
池の周りには料理屋・出会茶屋などが並び
どこでも 蓮の葉で
包んだ蓮飯を出しました
東都歳時記では 
6月の項
小暑の後 二十日ごろより、と書いてあります
香りもとてもよく 
好む人は明け方から訪れたといいます
当時は 溜池にも随分 蓮があったようですが 東都一は 不忍池だったようです
江戸 花の名所 _f0122653_16314171.jpgそして 入谷の牽牛花(あさがお)が続きます
もとは この辺りの土がとてもあっていたらしく 
御徒(おかち)の内職として 造ったらしいのですが
文化の末より 変わり咲きなど種々の奇品がもてはやされ 品評会なども 行ったようです
柿色の「団十郎」なんて種類も 造り出されました
七夕の牽牛(けんぎゅう)にちなみ 7月7日前後の三日間
見物に行く人もいたようです
文政になってからは 浅草・深川辺でも 造り始め
「朝顔屋敷」などと名づけて 群集したとか
この朝顔市は 今でも行われていますね
同じ時期に 不忍池で蓮の花の開くのを見
それから下谷に回る人もいたそうですよ
どちらにしても 江戸の人たちは 早起きだったんですね
江戸 花の名所 _f0122653_1649996.jpg同じ内職でも こちらは大久保百人町の同心が造った躑躅(つつじ)です
旧暦三月の「立夏」の頃からが 見頃でした
名所図会では
「映山紅」と書いて
「きりしま」と
ふりがながふってあります

「霧島つつじ」が 主だったのでしょうね
この大久保の躑躅は 維新後も益々盛んで 交通が発達すると
人出も倍増したそうですが 明治の末には
新しくできた日比谷公園に移植され 大久保は衰えてしまいました
「さつき」の花は 当時「杜鵑花」と書いてあり
これは躑躅の後 杜鵑(ほととぎす)の鳴く頃に咲くので
こう呼ばれたのでしょうね
どれも当て字のようですが「牽牛花(あさがお)」「映山紅(きりしまつつじ)」
「杜鵑花(さつき)」など ちょっと覚えといてくださいね
 

by tukitodoraneko | 2011-10-22 17:11 | 江戸文化歴史検定

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