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マイベスト オブ 殿さま!

さて 昨日は松平治郷(はるさと)=不昧公のことを書きましたが
実は このお父さんで 六代藩主・宗衍(むねのぶ)=南海公は
私の最も好きな殿さま マイベスト殿なんですね
マイベスト オブ 殿さま!_f0122653_1241581.jpg絵姿がなくて ほんとに残念!
← そのかわり 松江・月照寺にあるお墓でも
出しときましょう
この殿さまのエピソードといえば やはり
「刺青侍女」「化物振舞」のことでしょうか
南海公は 息子が藩政改革に成功し
ふところが温かくなると 隠居の身で
急に ぜいたくな遊びを始めます
その一つが 美女に花の刺青(ほりもの・
いれずみ)をさせ 薄い紗の着物一枚で はべらせるというもの
ご自分は 暑い夏の日 座敷に厚い布団を積み上げて
その上で 涼みながら 客の応対をしたといいます
挨拶に来た客は 布団の上に登る裸同然の美女の姿に
顔を上げることもできず 大汗をかいたといいますよ
マイベスト オブ 殿さま!_f0122653_1363295.jpgもう一つが 「耳袋」はじめ多くの随筆・怪談集に残る 
有名な 「化物屋敷」の話
ある夜市中の医者の家に 初めての武家の所から迎えが来ます
駕籠に揺られ 着いた所は人里はなれた古そうな武家屋敷
ここでちょっとお待ちを・・・と言われ 座敷で待っていると
小坊主が現れ 床の間の掛け軸を巻いては落とし
巻いては落としを 繰り返します
「これ悪いいたずらはせぬものだ 掛け軸が傷む」
と 注意すると 「黙っておれ!」と 振り向いた小僧の
額には 目が一つ・・・!
この他にも 話によっては大入道が出たり あでやかな姫の化物が出たり
そして最後は 朝になって道端で気絶していた医者が 発見されるという話ですね
実はこの話 全てが南海公の趣向・・・プロデュースだったというのです
連れて行かれたのは どうやら昨日書いた大崎の屋敷
大入道は 釈迦ヶ嶽(相撲)で 十二単衣の姫は瀬川菊之丞
小僧は 出雲の家中の子で 疱瘡で片目のつぶれた子供だったそうです
この他にも 赤坂ご門の外にある上屋敷には
公の趣味で 壁から天井まで 化物絵で埋め尽くされた「化物の間」があったそうです
息子・不昧公の 高尚で風雅な茶道三昧とは 正反対
一文にもならず 役にも立たない遊びに浮身をやつしたこの殿さま
私には こっちの方が 百倍 粋で 風流な感じがして だーい好きです
白馬に乗った王子様もいいけど しゃれの分かるお殿さまが お駕籠で迎えにきたら
やっぱり私は こっちの駕籠に 迷わず飛び乗るな!

by tukitodoraneko | 2011-08-05 13:40 | 江戸のあれこれ

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