お上り武士と犬の糞

f0122653_1305290.jpg江戸検の今年のお題が決まった時 最初にご紹介した本が
「酒井判四郎の食日記」
でした
この元本は 江戸博所蔵のもので 館長・竹内誠氏らが研究なさっています
江戸検定のHPでは参考書として
『江戸の名所―「お上り武士」が見た華の都』田澤拓也著
(小学館新書7月初旬頃発売予定)  
・・・以上のように 紹介されています
おそらく この本の中から少なくとも1題 出題されると思いますので
どうぞ 買って読んでみて下さいね
試験 受けない方も 読み物としておもしろいので お勧めです
酒井伴四郎は 28才 既婚・子供ありの 紀州藩士
万延元年(1860) 江戸勤番となって 単身赴任してきます
万延といえば この少し前桜田門外の変がありましたね
幕末のことで 大老が御門前で暗殺されるという物騒な世の中
そこで 赤坂にある紀州邸でも 人員を増やしたわけです
しかし この判四郎さん お勤めは衣紋方で 平たく言えば
殿さま御出仕の時の お召し物の着方などを取り扱う人なんですね
いくら有職故実にうるさい時代でも そーれほどお仕事はないのです
ヒマなもんだから ここぞとばかりに江戸見物
そして それを紀州出立の日(5/11)から 11月末まで159日間
一日も休まず 日記につけているのです
これは「江戸発足(ほっそく)日記帳」という題で 江戸博物館にあります
彼が この159日間に行ったところ ざっと挙げておきましょう
 
江戸到着の翌日 6/1 には まず大名小路に行って 大名屋敷と
登城日ですので 行列の見物です
「幸上之帰御拝し」・・・とある「上」とは 紀州から入った家茂将軍のこと、と 
手元の本に書いてありますが 自分のとこの殿さま(紀州さま)じゃないのかなぁ・・・と思います

あとは 両国・回向院 麹町の祭礼 神楽坂・毘沙門天 芝・愛宕山 増上寺
     四谷・祇園牛頭天王社 内藤新宿 寛永寺 不忍池・弁天 赤羽・水天宮
     三田・薩摩屋敷 泉岳寺 坂下不動 寅薬師 浅草寺 吉原(花魁道中)
     両国見世物 平河天神 芝神明 氷川山王社 虎ノ門・金比羅
     堀の内・妙法寺 大宮八幡 向島・三囲稲荷 白髭明神 木母寺・梅若塚
     深川(富岡)八幡 洲崎の弁天 牛込万昌寺(吉良の墓) 黒田の天神
     小石川・伝通院 白山権現 吉祥寺 飛鳥山 王子 巣鴨・染井
     久保町・芝居見物 上野・鷲(おおとり)大明神

すごいでしょ? 重複はさけましたが それでも38ヶ所
来たばかりの6月や 気候のいい9月には 連日のように物見遊山です
ああ うらやましい  東京に住んでる私よりすごいな!
でも 当時にしたら 紀州から江戸に出るのは 今の海外旅行より大変
この時とばかり 飛び回るのは 私がロンドンに行くようなものなのでしょうね
伴四郎さんは 食べたものから 犬の糞を踏んだことまで書いていますから
なかなか おもしろい江戸見物日記です
どうぞ 小学館新書が出たら 読んでみて下さいね

 
  
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by tukitodoraneko | 2011-05-27 14:00 | 本の話

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