江戸 柏木村の右衛門桜

f0122653_13594068.jpg桜の話が しばらく続きます
今日は 江戸にもあった 右衛門桜(えもんさくら)の話です
江戸の桜の名所といえば 上野と墨堤 飛鳥山
品川の近くには 御殿山がありました
どこもたくさんの人で にぎわいましたが
その他にも 粋人たちが見に行く 一本桜
あったのですね
こちらは 量より質とでも言うのでしょうか
文人墨客が好んで見に行きました
江戸の地誌の中から そんな有名な桜の名所を
挙げてみましょう
← 「江戸名所図会」に出てくる柏木村の右衛門桜
今では 北新宿という地名になってしまいましたが
学校の名前に「柏木」って残っていますね
f0122653_1494659.jpg昔は 確か駅の名前にも「柏木」ってあったと思います
東中野の辺かな?
当時から この→円照寺というお寺の境内です
お寺の創建は 非常に古く 藤原秀郷が将門征討の帰り ご利益に感謝し 再建したと言われていますので 
もちろんそれ以前からあったわけです
何度も戦火にやけ 寛永年間には この近くに知行のあった春日局が施主になり また再建しています
f0122653_14385015.jpg名所図会の円照寺はこんな具合 →
今も近くにある鎧(よろい)神社は 当時は裏手にあり 将門の鎧を納めたという言い伝えがあります
当地は 古くは地頭・柏木右衛門の館跡だったため ここの桜の名になったのだとか
また 古木が枯れるのを惜しみ 武田右衛門という人が接木したからとも言われています
江戸の地誌では 有名な桜で 「紫の一本」には「花の色すぐれ 匂い深くウイキョウに
似たり 余の花より盛り遅し」とあります
茴香(ういきょう)は あのハーブの仲間 
フェンネルのことです
細かい黄色の花をつける草ですね
私の好きな「遊歴雑記」を書いた十方庵も
紫の一本の150年後に 訪れています
この時には 古木は枯れ朽ちて その根元から 若木が成長し 周囲8m位に枝を拡げていたということです
今の桜は 三代目になるんですね
十方庵さんは 「辺鄙な土地なので 神田や下谷より先の人は
噂を聞くのみで やってはこない 残念なことだ」と 言っています
今なら 中央線の東中野から500mです
江戸にもあった右衛門桜 ちょっとのぞいてみるのも いいですね

追伸 一級会の方が見に行ってくださったところ
    すでに 「右衛門桜」は なくなってしまい 枝垂れが元の位置に植わっているそうです
    残念ですねー
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by tukitodoraneko | 2011-04-01 15:10 | 江戸のあれこれ

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