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江戸時代の11月1日は・・・

さて では張り切ってまいりましょう!
もうすでに「霜月」に入ってしまいました 早いですね
今年の11月1日は 「江戸文化歴史検定」の日でしたが
江戸時代の この日は これに勝るとも劣らない「一大イベント」があった日です
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そうです 「芝居正月」なんですね
当時 一つの劇場だけに人気役者がかたよらない様に 一年契約の役者達は
今で言う「ドラフト制」のように 一年を区切って出演場所を変えたのです
その配役を発表するのが この11月1日の「顔見世興行」だったのですね
芝居の世界では この日から新しい一年が始まるので「芝居正月」とも言いました
この間 芝居関係者は 正月と同様 互いの家を年礼に歩き 雑煮で祝います
   顔見世や この二丁町 明けの春
というわけですね
この頃の「顔見世初日」といったら ジャニーズ系のコンサートなんて目じゃないほどの
繁盛っぷり!
なにせ 客は前日の夜から並び 夜中の二時には「木戸番」の口上がはじまり
午前四時に「一番太鼓」が鳴るのです
   顔見世や 一番太鼓 二番鶏
というくらいですから 鶏より早く 太鼓が鳴ったんですね
そして 能の「翁」を歌舞伎風にアレンジした「翁渡し」というおめでたい演目で幕を開けます
これは 翁・千歳・三番叟の三人が 舞う演目で このうち「翁」は太夫元という劇場主が
「千歳」は その息子が そして「三番叟」は 座頭(主役級役者)か振付師がつとめることに
なっていました
江戸時代の11月1日は・・・_f0122653_10525517.jpg後には この中の「三番叟」だけが独立して 「二人三番叟」「操り三番叟」などの新しい舞へ発展していきました
人形浄瑠璃(文楽)や狂言としても残っていますよね
特に有名なのが 初代中村仲蔵の母方の志賀山流で踊られる「舌だし三番叟」でしょうか
仲蔵を尊敬していたという歌右衛門が踊り 代々の三津五郎も得意としています
江戸時代の11月1日は・・・_f0122653_11323853.jpg
この「舌だし・・」は大人気で 凧の絵柄にもなっています
もともと 「舌を出す」という行為に厄除けの意味があったようですよ
また 上の絵で左隅の花道に立っているのは 市川団十郎
大きな「三枡(みます)」の紋をつけ 市川家十八番
「暫(しばらく)」を演じています
これも 顔見世にの時に演じられたおめでたい演目
この時の花道で団十郎の語った「ツラネ」という長台詞も
「一番太鼓に起こされて 雑煮腹で花道へ まかり出でたるそれがしは・・・」と いかにも正月気分満載のもの
当時の「顔見世興業」の賑わしさといったら 今の新しい「携帯」や「ゲーム」の売り出しどころじゃない大騒ぎだったんですね

by tukitodoraneko | 2009-11-05 11:50 | 江戸のあれこれ

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