毘沙門天のお使い!?

今日は なかなか目にすることのない神事「強飯(ごうはん)式」のこと
書いてみましょうか
江戸では 1月3日 愛宕神社で行われた「毘沙門の使い」が これですね
f0122653_1040204.jpg「江戸名所百景」にも 描かれているこの場面
知っている方も多いでしょう
この すりこ木と巨大しゃもじを持って
羊歯や注連飾りのかぶとをかぶったジイさんは 愛宕神社の女坂の上にあった水茶屋
「愛宕屋」の主人です
どういうわけか毘沙門の使いは この人が
つとめることになっていました
当日は 三人の随員を引きつれ男坂を下りて 
円通寺に入ります
そして 大きなまな板の前に立ち しゃもじで三度これを打って
居並ぶ人々に 「新参は9杯 古参は7杯」
むりやり飯を薦めるのです
「飯を強いる」から 「強飯式」なんですねー
この神事は 日光のものがもっとも有名です
神仏習合で 修験者が山で修行する日光では 山での「供物」を衆住に施す習慣があり これを頂くと 長生 福徳があると信じられていたのです
今でも 日光の輪王寺では続いていますよ
愛宕山のほうは すでになくなってしまったそうで 残念なことです
「江戸名所図会」の一巻 天枢之部に くわしく載っていますが
その挿絵では 座敷で見物する老若男女が
楽しそうに笑いながら 儀式の様子を見ています
儀式といっても 「食べないと この杓子で(あの世へ)まねいてやるぞ」
と 脅し これに対して「吉例の通り みな頂きます」と 答えると
「しからば 毘沙門の使いは まかり帰るでござある」と
また 坂を上って本殿に帰っていくというだけのもの
それでも この「お使い」の格好が珍妙なせいでしょうか
結構いろんな 名所紹介の本に載っています
本家 日光の方では この「お使い」はありませんので
これも 江戸特有のジョークの利いた行事の一つだったんでしょうね
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by tukitodoraneko | 2009-01-10 13:00 | 江戸のあれこれ

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