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わたしの 「東京タワー」

お盆やお正月のたび テレビは大渋滞の高速道路や 朝の通勤電車なみに ぎゅうぎゅう詰めの新幹線を 映し出す
(あんなにしてまで 帰りたいところがある人たちが これほどいるんだ)
あの 民族大移動を見ると そう思う
わたしの 「東京タワー」_f0122653_148562.jpg田舎とか故郷というものを もったことがない

父方の祖父母とは 同居していたし
母の実家は 同じ通りの5、6軒さき
母はいつも つっかけをはいて 「里帰り」していた
子供のころの 長くて暑い 夏休み
「田舎のお婆ちゃんち 行くんだ!」という ともだちは
ちょっと うらやましい気がしたが
それも (海や山の近くに行けていいな) くらいの
漠然としたものだった
そこが どんなに素敵な楽園でも
 一度も行った事ないから わからない
夏の終わりに 真っ黒に日焼けして帰ってくる友達をみて 東京のもやしっ子は そう思った

最近 「東京タワー」という 本やドラマを よく目にする
大阪から ひとり上京してきた「ボク」と「オカン」のはなし
ボクにとって 東京タワーは 遠くはなれた都会の象徴なのだろう

人は 昔から いろんな夢を追いかけて 東京へ来る
そして ほとんどの夢は かなわないまま 終わっても
「そこに行けば 夢がかなう場所」 を
もてることは 心から うらやましい

東京タワーは 私にとって なんの象徴でも ありえない
長い夏の昼下がり 一人遊びに飽きて 外に出れば
東の空に いつもあるもの
それだけの ものだった

東京に生まれた悲しさは
ふるさとに帰れないないことではなく
上京できない ことなんだと
このごろ思う

by tukitodoraneko | 2007-01-25 15:16 | 東京

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