涅槃絵とネコとはなくそ

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はい 東福寺の涅槃図ですね
二月に書こうか すごく迷ったのです
二月十五日は お釈迦さま入滅の日 いわゆる涅槃会です
江戸時代は この日にやりましたが 今では旧暦に合わせてか
三月半ばに行う所が多いのですね
そのうえ 現在では誕生日の方=灌仏会の方がメジャーになってしまいました
わが国での涅槃会は 貞観2年(860)ごろ始まったと言われています
「今昔物語」巻十二は「山階寺に涅槃会を行えること」
山階寺=奈良・興福寺ですね
この日は 涅槃像や涅槃絵を一般に公開します
涅槃像は 法隆寺のもの 
涅槃絵は 紀州高野山金剛峯寺・奈良新薬師寺のものが有名でした
f0122653_11423329.jpg上の涅槃絵は 東福寺の兆殿司(ちょうでんす)筆
「猫のいる涅槃図」です
お釈迦さまが入滅する時には 動物・鳥・虫・魚も含め「52種」が集まったと言います
干支に入っている動物はもちろんですが 鹿や鳩 象が描かれるのも一般的
インドといえば象!って感じなんでしょう
もちろんネコが描かれているものも他にいくらもあるのですが
東福寺の場合は 伝説があるのです
 兆殿司が 傍らにいた猫に おまえも何か一つ功を立てたら
 絵の中に描いてやるぞ と 戯れに言ったら 猫がふいっと出て行って
 どこからか 珍しい絵の具の材料をくわえてきた というものです
ちゃんと 功を立てたから描いてもらえたんですね!
また この日 正月の鏡餅を割り 揚げてかき餅にしたものを
集まった信者たちに配りました
これを「花供御(はなくご)」と言ったのですが
形や音が はなくそに似てますんで「お釈迦様のはなくそ」
今はただ「はなくそ」と呼ばれています
醤油味もあったりして とてもおいしい「はなくそ」ですよ
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by tukitodoraneko | 2015-03-10 12:05 | 祭と歳事 | Comments(7)

Commented by 鶴ヶ島の小人 at 2015-03-10 15:57 x
月猫様
私は大学が仏教系でしたので、涅槃会、出ましたよ。うちは2月15日でした。宗教学の単位を取るのに、行事ポイントが2ポイントもらえました。でも「はなくそ」餅は昨年江戸の食文化で勉強するまで知らなかったです。総持寺はちょっと大きめのおまんじゅうを配ってくれました。
東福寺って、宇治に行く途中にある、洛南の東福寺ですか?
Commented by 忍び駒 at 2015-03-10 16:58 x
月猫様
釈迦の涅槃図には、大きく分けて、古様と新様の二種類があり、解釈の違いを表現しているのですよ。

写真ではあまりはっきりしませんが、左から二本目の沙羅双樹の木の幹の中ほどに黒っぽいものが見えませんか。
これは釈迦さまのお母さん(麻耶夫人)が天国から投げ与えようとした薬の袋です。
残念ながら木に引っ掛かったためにお釈迦さまは薬を飲むことが出来ずに亡くなってしまったのです。

金剛峯寺にあるような古いタイプの絵には、沙羅双樹はもう少し低く描かれていて、
木の上にたなびく雲の上には麻耶夫人が乗って心配そうに息子を見下ろしています。
お釈迦様は中央にもっと大きく描かれていて、両手を体側につけて伸ばしています。
こういったタイプの絵を古様といいます。

東福寺の絵では沙羅双樹の幹は高く描かれ、麻耶夫人の姿は描かれていません。
左手を曲げ、前方に向けて周囲の人達や動物に何か語りかけているように見えます。
こういったタイプの絵を新様といいます。

古様と新様を見分けるだけでも、仏画を見る楽しみが少し増えますよね。
Commented by tukitodoraneko at 2015-03-10 17:10
鶴ヶ島の小人さま
ああ、そうなんですか 
私はキリスト教系だったので宗教史が必修でした
舌かみそうな教皇の名前とか覚えました
東福寺は JR奈良線の「東福寺」あるでしょ?
「鳥羽海道」駅の一つ手前で 加茂川の東にあるお寺です
Commented by tukitodoraneko at 2015-03-10 17:19
忍び駒さま
ああ そうなのですか!
薬袋が枝にかかっている、というのは 覚えていましたが
古様と新様のちがいなど 全く知りませんでした
今回ネットで いろんな「涅槃図」を見てみましたが 細かい所はなかなか・・・
でもすごくいろんなタイプがあることはわかりました
やっぱり実物を近くで見ると楽しいでしょうね
Commented by 忍び駒 at 2015-03-11 09:57 x
月猫様
新様の涅槃図で、お釈迦様が最後のお説教をするとき差し伸べようとしているのは右手でしたね。失礼しました。

お詫びのついでに、京都のお寺にある涅槃図の有名なものをご参考までに挙げておきます。
京都三大涅槃図といえば、東福寺、本法寺、大徳寺のものですが、泉涌寺、真如堂、天龍寺のものも有名です。

本法寺のものは、日蓮宗を深く信仰していた長谷川等伯61歳の作で、早世した子供の供養に奉納されたものです。
猫もいますが、二匹のコリー犬が描かれていることで知られています。重文です。
このお寺には等伯の作品が多く残っています。

大徳寺のものは狩野元信のお父さんにあたる狩野松栄の代表作で、重文です。

泉涌寺のものは極彩色で、縦16m×横8mもあり、東福寺の縦15m×横7.3mよりもひと回り大きく日本最大です。
江戸中期の明誉古礀(めいよこかん)の作です。大きすぎて壁だけでは足りず折り曲げて天井に達します。
猫はいませんが、麻耶夫人が描かれています。

桜、紅葉で有名な真如堂のものは江戸中期に厭求、海北友賢が描いたものです。真如堂の大旦那である旧三井家の女性たちが
寄進したもので動物・魚類・昆虫などが手向けの花を捧げて悼んでいます。その数は127種類にも及び日本最多であると
云われます。もちろん猫もいますよ。

天竜寺のものは刺繍の涅槃図です。お釈迦さまの螺髪は、信者から寄進された毛髪が使われているそうです。
右端に猫がいます。
Commented by tukitodoraneko at 2015-03-11 12:34
忍び駒さま
わ~!ホントは私がまとめなければいけないのに!
めんどくさいから ほっといたら こんなにきれいに
まとめてくださるなんて!
なんて楽ちんなんでしょう くせになりそうです
実は 心ひそかに「今日も補足してくださらないかしら?」
と 期待している私です^^p
Commented by 鶴ヶ島の小人 at 2015-03-11 18:21 x
月猫様 忍び駒様
真如堂は12月に京都に行った時にたまたま庭と一緒にご開帳中で見ることが出来ました。すごく大きくて、全部細かく見ていると日が暮れそうでした。まわりに沢山あったお釈迦様のエピソードが分ったら面白いですけど、とてもとても・・。今年は何度か京都に行く計画があるので、東福寺のネコちゃんを拝見しに行きたいですね。調べてみよっと。
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