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初午と稲荷

初午と稲荷_f0122653_105556.jpgさて やっと「初午」に入れます
この絵は 豊国「伊勢固世身 見立十二直」の内「梅見月の初午」
江戸の2月初午は 稲荷の祭りですが
陰暦では 3月 今よりも春めいた季節に行われる子供たちの祭でした
江戸の子供の日といってもいいかな
この行事に関しては 過去にも書いていて そちらに詳しいです
今回 検索をかけると 何度も過去の自分のブログにぶち当たりましたので「祭と歳事」のカテゴリに移しておきました
2010年 2/3,4,5 「初午とつんぼ稲荷」「稲荷だらけの江戸の町」「狐落としの殿様」
カテゴリ「祭と歳時」 もしくは左下の
「以前の記事」2010年2月をクリックしても見られます
この祭りに付き物なのは 太鼓・絵馬・
地口提灯と幟(のぼり)です

江戸では この日から寺子屋に通い始める子も多かったと言います
今の「ご入学」も兼ねていたみたいですね
さて ではなぜ二月の初午が 稲荷の祭となったのか
これは京都の伏見稲荷の社伝にありますように 
奈良時代の和同4年(711)京の稲荷山に神が鎮座したのが 
2月の初午だったからですね
この神様は 渡来系 秦(はた)氏の氏神で
以来その子孫が 社の祀官となっています
こちらの祭神は「宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)」
日本書紀では倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)となっていて
代表的な穀物=食物神です
伏見神社は この神社系稲荷の総本社となっています
初午と稲荷_f0122653_1193233.jpgそしてもう一方 インドのダーキニー→荼枳尼天(だきにてん)を祀る稲荷があります
荼枳尼天は 大黒天に属する夜叉で ご覧のように半女身 
狐を操り 自在な通力を持つとされています
代表的なのは 豊川稲荷ですね
江戸の地口で「貧乏稲荷で鳥居(取り柄)もない」というのをご存知でしょうか
大岡越前の下屋敷に祀られた稲荷も そう言ってからかわれたのかもしれませんが これ そもそも領地 豊川の妙厳寺の荼枳尼天を 子孫が祀ったものですので 神社ではなくお寺さんです
貧乏だからではなく お寺系なので 鳥居は無いのが当たり前ってことですね
寺社がきれいに別れた現在では 不思議に思われるかもしれませんが
明治の「神仏分離令」以前の長~い間
我が国では 神も仏もいっしょくた 神仏混淆 神仏習合 
おまけに本地垂迹なんてことも 当たり前でした
長くなりましたので 説明はまた次回   

by tukitodoraneko | 2015-02-20 11:48 | 祭と歳事

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