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初物評判 福寿草

しとしと梅雨 やですねー
冷蔵庫のない時代 ホントにすぐ腐る食材に困ったでしょうね
ところで←カテゴリに「江戸の食文化」追加しました
昔書いたものも できるだけ拾って集めておきます
ポチっとしていただければ まとめて読めますので 使ってください
初物評判 福寿草_f0122653_1695335.jpgそして今日は「初物」のこと
書いておきましょう
江戸の安永くらいから初物の
評判記が どっと出始めます
← これは「福寿草」
テキストにもありましたので
勉強進んでいる方は もう
チェック済みですか?
挿絵は恋川春町です
この時代の評判記は 有名な
戯作者が偽名=ペンネームで
書いています
「評判茶臼芸」を書いた洛陽隠士宇治山の茶撰は 寝惚(ねぼけ)先生こと太田南畝
この「福寿草」も おそらく有名戯作者が 書いたものでしょう
内容は 芝居狂言に 初物を役者として登場させ
一種の見立て役者評判記になっています
初かつをは 「さし身の十内という役名で 女房からしずとめぐり合い
生醤油の九郎兵衛 大根おろしの四郎兵衛 両人との出会い かるみありてよし」
・・・という感じの三冊本です
  極上上吉は 初がつを だけで 季節は春の部です
  上上吉    初鮭(秋) 新酒 (秋) 新そば(秋) 若菜・早わらび(春)
  次に     早松たけ 早初たけ・新茶・初なすび・初すばしり (夏)
  初いね (春) 初鮒 (春) 新麦 (夏) 新とうがらし(秋)
  新かんぴょう (夏) 新米(秋) 新くるみ (秋)
  新せうが=生姜 (冬) 若たばこ (秋) 新かや (秋)
以上 20種が 食類之部に入っています
たばこも 食類に入っていますねー
すばしりは 「鯐」と書いて 鯔(ボラ)の稚魚・18cm未満のものですね
ボラは おぼこ→すばしり→いな→ぼら→とど ・・・と 名が変わる出世魚
これも覚えておいても 損にはならないでしょう
おぼこ娘も やがてTVの前で煎餅をバリバリ食べるトドのような女房に変わるわけですね
「とどのつまり」・・・という言葉は ここから出たとも言われています
新かや は「かやの実」の事です
「初」の字の他に「新」「早」「若」など ものによって変わりますので
そんなところも ちょっと気をつけて 頭の片隅に しまっておいてね

by tukitodoraneko | 2014-07-05 16:56 | 江戸の食文化

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