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江戸名所 べったら市と恵比寿講

急にさむくなりました 試験前に風邪なんてひかないでくださいね
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10月20は 江戸の商家の恵比寿(蛭子・夷)講の日です
これは 江戸に京阪なみの商家が立ち並ぶようになってからの習慣
だから大伝馬町を中心に 日本橋界隈の大商が行いました
上の絵のように えびす様や大黒さまを飾り 鯛を供え
出入りの者や上客を招いて 酒宴を張りました
その辺の家財や器に 「何万両」など法外な値をつけて
売り買いのまねをして騒ぐのが 通例です
神無月でも えびす様は出雲に行かず 江戸にいたのですねー
そしてこの前日 えびす講に必要なものを売る一夜限りの市が
大伝馬町一丁目に立ちました
「腐(くされ)市」と言います 今のべったら市ですね
始めは 神棚・三宝・まな板や小桶などと共に
付き物の鯛と大根の浅漬けを売っていました
しかし 形ばかりの鯛ですし 夜市ですから それほど新鮮ではなし
これに大根の匂いも加わって かなり異臭がしたようです
江戸時代の本では どれも「くされ市」と書いてありますよ
この市が だんだん大規模になり やがてえびす講の習慣は消えましたが
ただ 大根の漬物を売る市になったのが 今の「べったら市」ですね
麹の混じった大根は 独特のねばりがあります
このべたべたの手で「ほーら べったり、べったり」と町行く人をからかったため
明治にはもう「べったら市」と呼ばれました
「絵本江戸風俗往来」では 
  (値段を聞くと高いので)驚いて逃げ出そうとすると
   粕のついた汚い手で 容赦もなく人の袖をひっとらえて
  「これからまかすのが旦那の腕だ」という
   わずか四、五丁のところを一時間もかかって大伝馬町へ出て
   恵比寿神社に参ってみると 東京一と呼ばるる大市を持っているにもかかわらず
   ご本尊様の鎮座ましますお宿の てもさっても小さいこと
   勿体ないが 裏店の便所と言ってもいい位
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そしてこれが その「裏店の便所」と言われた宝田恵比寿神社です →
今でも この界隈に 19・20日の二日間
べったら漬の市といろんな屋台が出て
会社帰りの人たちで にぎやかですよ
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江戸時代は1月20日にもえびす講があり 
この前日にも市が立ちましたが
10月の時ほど流行らなかったようです 

by tukitodoraneko | 2011-10-19 12:17 | 江戸文化歴史検定

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