六夜待ちに 一夜芸者
2011年 08月 01日
八月に入ってしまいましたが 六夜待ちのことを
書いておきましょう
上と右の絵は 高輪の風景です
ずいぶん にぎやかですね
海には多くの船が出て 花火を上げ 屋台もたくさん出ています
お金があれば 舟を出したり 料理屋で飲食しながら
明け方近くに昇る月を待ったのですね
正月と七月の二十六日に出る月は 三つに分かれて
輝き その光の中に三尊(阿弥陀・観音・勢至)の姿が現れると言われていました
そうはいっても 正月の明け方は寒すぎる
それで 江戸の人々は 七月の六夜待ちを盛大に行いました
まあ それが人情ってもんですね
当時の暦では 今の9月の
最初ぐらいの時期です
まだ暑さの残る中 夕涼みの盛大な感じでしょうか
この時 人が出るのはやはり海のそばの高輪・品川深川の洲崎 もしくは高台に
あった湯島・九段・日暮里の
諏訪社などです
← これは湯島天満宮近くの料理屋です
混み合ってますねー
この日は こうした場所に多くの芸人たちが集まり 舞えや踊れはもちろんのこと
写し絵(今の影絵)や にわか芝居 陰芝居などで 遊客の取り持ちをしました
陰芝居というのは どらや拍子木を使ってする物まねのこと
彼らは 「一夜芸者」と言われ 中には芸自慢の素人も混じっていたのですね
この賑わいも 天保の改革までと言われています
もし 今もあったなら 必ず飛んでいって一夜芸者になったのに・・・
自前の衣装で アニソンから懐メロまで 唄い踊ってやったのに・・・
と ちょっと残念な月猫です
by tukitodoraneko | 2011-08-01 16:18 | 江戸のあれこれ